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平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法に基づく基本方針を公表する件

  平成23・11・15・環境省告示 98号  


平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成23年法律第110号)第7条第1項の規定に基づき事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する基本的な方針(平成23年11月11日閣議決定)を定めたので、同条第4項の規定により、次のとおり公表する。

1.事故由来放射性物質による環境の汚染への対処の基本的な方向
 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により、当該原子力発電所から放出された放射性物質(以下「事故由来放射性物質」という。)による環境の汚染が生じており、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することが喫緊の課題となっている。
 こうした状況を踏まえ、平成23年8月に「平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成23年法律第110号。以下「法」という。)が議員立法により可決・成立し、公布された。
 今後の我が国の事故由来放射性物質による環境の汚染への対処(以下「環境汚染への対処」という。)は、本基本方針にのっとり、関係者の連携の下、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響が速やかに低減されるよう、また、復興の取組が加速されるよう、取り組むこととする。
 環境の汚染への対処についての基本的な方向は、次のとおりである。
1) 環境汚染への対処に関しては、関係原子力事業者(事故由来放射性物質を放出した原子力事業者をいう。以下同じ。)が一義的な責任を負う。また、国は、これまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることから、環境汚染への対処に関して、国の責任において対策を講ずるとともに、地方公共団体は、当該地域の自然的社会的条件に応じて、国の施策に協力するものとする。
2) 関係原子力事業者は、環境汚染への対処に関し、誠意をもって必要な措置を講ずるとともに、国又は地方公共団体が実施する施策に協力しなければならないものとする。また、関係原子力事業者以外の原子力事業者も、国又は地方公共団体が実施する施策に協力するよう努めなければならないものとする。
3) 事故由来放射性物質による環境の汚染は広範にわたるものであるとともに、例えば、土壌等の除染等の措置(事故由来放射性物質により汚染された土壌、草木、工作物等について講ずる当該汚染に係る土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置をいう。以下同じ。)の対象に住民が所有する土地等が含まれることから、国及び地方公共団体は、環境汚染への対処に対して住民参加等への協力を求めるものとする。
4) 環境汚染への対処については、各省庁、関係地方公共団体、研究機関等の関係機関、事業者等が総力を結集し、一体となってできるだけ速やかに行うものとする。ただし、線量が特に高い地域については、長期的な取組が必要となることに留意が必要である。
5) 既に得られている国内外の科学的・技術的知見を踏まえ、迅速に環境汚染への対処を行うものとする。また、これらの知見の発展を踏まえて、より効果的かつ効率的に環境汚染への対処が行われるよう手法の見直しを図るものとする。
6) 土壌等の除染等の措置を進めるに当たっては、とりわけ子どもへの対応に十分配慮することが必要であり、子どもの生活環境(学校、公園等)において優先的に実施するものとする。
7) 国は、できるだけ速やかに除染等の措置等(土壌等の除染等の措置並びに除去土壌の収集、運搬、保管及び処分をいう。以下同じ。)及び事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理を実施する必要があることを踏まえ、基準等の設定を行うものとする。
8) 中間貯蔵施設(相当量の土壌及び廃棄物を一定の期間安定的に集中して貯蔵及び管理する施設をいう。以下同じ。)及び最終処分場の確保やその安全性の確保については、国が責任を持って行うものとする。
9) 国及び地方公共団体は、除染等の推進に当たって住民参加等への協力を求めるとともに、正確かつ迅速な情報提供及び地域住民とのリスクコミュニケーションを実施するものとする。
10) 上記の取組を進めるに当たり、国は、国際社会と連携・協力しつつ、国内外の叡智を結集して対応すること。また、当該取組により得られた経験・知見及び教訓を国際社会と共有するものとする。
 本基本方針は、策定当時の知見、技術水準等に基づき定めたものである。国は、環境汚染への対処の進捗状況を定期的に点検するとともに、事故由来放射性物質による環境の汚染の状況についての監視及び測定の結果、技術開発の状況等も踏まえて、この基本方針を適宜見直すものとする。
 なお、この基本方針は、「除染に関する緊急実施基本方針」(平成23年8月26日原子力災害対策本部)を引き継ぐものである。

2.事故由来放射性物質による環境の汚染の状況についての監視及び測定に関する基本的事項
 線量の把握及び推定、事故由来放射性物質による環境の汚染に係る対策の検討等のため、事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について、きめ細かい監視及び測定の実施が必要である。国及び地方公共団体は、次に定めるとおり、監視及び測定を行うものとする。
(1)国による監視及び測定
1) 国は、対策の検討及び推進、一体的で分かりやすい情報提供等に資するため、事故由来放射性物質による環境の汚染の状況について、きめ細やかな監視及び測定を実施するものとする。
2) 国は、きめ細やかな監視及び測定を実施するため、責任をもって、地方公共団体、原子力事業者等との調整を図り、適切な役割分担の下、統一的な監視及び測定の体制を整備するものとする。
3) 国は、事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理及び除染等の措置等の効果を広域的に把握するため、定期的な監視及び測定を行うものとする。
4) 国は、監視及び測定の結果得られた情報を、国民に対して速やかに公開するものとする。
(2)地方公共団体による監視及び測定
 地方公共団体は、国や原子力事業者等との連携のもと、地域に根差した監視及び測定を実施するよう努めるものとし、国や原子力事業者等と連携して監視及び測定で得られた情報を活用及び発信するものとする。

3.事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理に関する基本的事項
(1)基本的な考え方
 土壌等の除染等の措置に伴い生ずる廃棄物や、生活地近傍の災害廃棄物など、住民の生活の妨げとなる廃棄物の処理を優先するものとする。
 事故由来放射性物質による人の健康や生活環境への影響をできる限り早く低減していくためには、現行の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(昭和45年法律第137号)に基づく廃棄物の処理体制、施設等を可能な範囲で積極的に活用し、事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理を進めていくことが重要である。
 事故由来放射性物質により汚染された廃棄物、とりわけ土壌等の除染等の措置に伴い生ずる廃棄物の量が膨大であること等にかんがみ、安全性を確保しつつ、可能な限りにおいて、可燃物と不燃物の分別、焼却等の中間処理等により減容化を図る必要がある。減容化により事故由来放射性物質が濃縮され、法第17条第1項の指定廃棄物に該当することとなったものについては、法に基づき、国がその処理を行う。また、安全性を確保しつつ、例えば、コンクリートくずを被災地の復興のための資材として活用する等の廃棄物の再生利用を図ることとする。
 事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理に当たっては、飛散流出防止の措置、モニタリングの実施、特定廃棄物の量・運搬先等の記録等、周辺住民の健康の保護及び生活環境の保全への配慮に関し、必要な措置をとるものとする。また、安全な処理のため、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の当面の考え方について」(平成23年6月3日原子力安全委員会。以下「当面の考え方について」という。)において示された考え方を踏まえ、処理等に伴い周辺住民が追加的に受ける線量が年間1ミリシーベルトを超えないようにするものとする。また、最終的な処分に当たっては、管理期間終了以後についての科学的に確からしいシナリオ想定に基づく安全性評価において、処分施設の周辺住民が追加的に受ける線量が年間10マイクロシーベルト以下であること等について原子力安全委員会が示した判断の「めやす」を満足するものとする。なお、災害廃棄物については、事故由来放射性物質による汚染が著しいもの、解体工事に時間を要するもの等、特に処理が困難であるものを除き、災害廃棄物の仮置場の確保を前提として、平成24年3月末までを目途に災害廃棄物の仮置場への移動を行う。土壌等の除染等の措置に伴って発生する廃棄物については、当該措置の進捗と整合を図りながら処理を行うものとする。
(2)対策地域内廃棄物の処理に関する事項
 法第11条第1項の汚染廃棄物対策地域は、線量が高く廃棄物が特別な管理が必要な程度に汚染されその処理の実施に当たって高いレベルの技術が必要となる可能性が高いこと及び作業員の安全の確保への十分な配慮が必要であること、国の指示に基づき立入りが制限されていること等の事情を勘案し、その範囲を指定するものとする。
 法第13条第1項の対策地域内廃棄物の処理は、環境省が行う。
(3)指定廃棄物の処理に関する事項
 指定廃棄物の指定基準については、放射性物質による汚染のレベルに応じて求められる処理方法及び平常時に廃棄物処理を行っている市町村の処理技術、処理施設等の能力等の実態を勘案し、設定するものとする。
 指定廃棄物の処理は、水道施設から生じた汚泥等の堆積物等については厚生労働省、公共下水道・流域下水道に係る発生汚泥等については国土交通省、工業用水道施設から生じた汚泥等の堆積物等については経済産業省、集落排水施設から生じた汚泥等の堆積物等及び農林業系副産物については農林水産省と連携して、環境省が行う。また、指定廃棄物の処理は、当該指定廃棄物が排出された都道府県内において行うものとする。
(4)対策地域内廃棄物及び指定廃棄物以外の事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理に関する事項
 対策地域内廃棄物及び指定廃棄物以外の事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理を行う際は、排ガス・排水等の放射性物質の監視測定を行い、その結果を踏まえて事故由来放射性物質の拡散を防止するための措置を講ずるものとする。

4.土壌等の除染等の措置に関する基本的事項
(1)基本的な考え方
 土壌等の除染等の措置の対象には、土壌、工作物、道路、河川、湖沼、海岸域、港湾、農用地、森林等が含まれるが、これらは極めて広範囲にわたるため、まずは、人の健康の保護の観点から必要である地域について優先的に特別地域内除染実施計画又は除染実施計画を策定し、線量に応じたきめ細かい措置を実施する必要がある。この地域の中でも特に成人に比べて放射線の影響を受けやすい子どもの生活環境については優先的に実施することが重要である。また、事故由来放射性物質により汚染された地域には、農用地や森林が多く含まれている。農用地における土壌等の除染等の措置については、農業生産を再開できる条件を回復させるという点を配慮するものとする。森林については、住居等近隣における措置を最優先に行うものとする。
 土壌等の除染等の措置に係る目標値については、国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年基本勧告、原子力安全委員会の「今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について」(平成23年7月19日原子力安全委員会)等を踏まえて設定するものとする。具体的には、
1) 自然被ばく線量及び医療被ばく線量を除いた被ばく線量(以下「追加被ばく線量」という。)が年間20ミリシーベルト以上である地域については、当該地域を段階的かつ迅速に縮小することを目指すものとする。ただし、線量が特に高い地域については、長期的な取組が必要となることに留意が必要である。
 この目標については、土壌等の除染等の措置の効果、モデル事業の結果等を踏まえて、今後、具体的な目標を設定するものとする。
2) 追加被ばく線量が年間20ミリシーベルト未満である地域については、次の目標を目指すものとする。
ア 長期的な目標として追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下となること。
イ 平成25年8月末までに、一般公衆の年間追加被ばく線量を平成23年8月末と比べて、放射性物質の物理的減衰等を含めて約50%減少した状態を実現すること。
ウ 子どもが安心して生活できる環境を取り戻すことが重要であり、学校、公園など子どもの生活環境を優先的に除染することによって、平成25年8月末までに、子どもの年間追加被ばく線量が平成23年8月末と比べて、放射性物質の物理的減衰等を含めて約60%減少した状態を実現すること。
 これらの目標については、土壌等の除染等の措置の効果等を踏まえて適宜見直しを行うものとする。
(2)除染特別地域に関する事項
1) 除染特別地域の指定に関する事項
 法第25条第1項の除染特別地域は、線量が高く土壌等の除染等の措置の実施に当たって高いレベルの技術及び作業員の安全の確保への十分な配慮が必要であること、国の指示に基づき立入りが制限されている地域であること等を踏まえ指定するものとする。
2) 除染特別地域に係る土壌等の除染等の措置の方針
 除染特別地域のうち、追加被ばく線量が特に高い地域以外の地域については、平成26年3月末までに、住宅、事業所、公共施設等の建物等、道路、農用地、生活圏周辺の森林等において土壌等の除染等の措置を行い、そこから発生する除去土壌等(除去土壌及び土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物をいう。以下同じ。)を、適切に管理された仮置場へ逐次搬入することを目指すものとする。
 追加被ばく線量が特に高い地域においては、まずは国がモデル事業を実施することで、線量が特に高い地域における効率的・効果的な除染技術及び作業員の安全を確保するための方策を確立した上で、特別地域内除染実施計画を策定し、段階的に土壌等の除染等の措置を進めるものとする。
 除染特別地域内には、農用地、森林、道路、河川等様々な土地が含まれる。除染特別地域内の土壌等の除染等の措置については、当該土地の利用及び管理に関して知見・情報を有する関係省庁から人材面も含めた協力を得ながら、環境省が行う。
 また、特別地域内除染実施計画の策定に当たっては、地域ごとの実情を踏まえ、優先順位や実現可能性を踏まえた計画とするとともに、その前提として、除去土壌等の量に見合った仮置場を確保する必要がある。
(3)除染実施区域に関する事項
1) 汚染状況重点調査地域の指定に関する事項
 法第32条第1項の汚染状況重点調査地域については、その地域の追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上となる地域について、指定するものとする。
2) 除染実施計画を定める区域の指定に関する事項
 法第36条第1項の除染実施計画を定める区域については、その区域の追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以上となる区域について、指定するものとする。
3) 除染実施区域に係る土壌等の除染等の措置の方針
 追加被ばく線量が比較的高い地域については、必要に応じ、表土の削り取り、建物の洗浄、道路側溝等の清掃、枝打ち及び落葉除去等の除染等、子どもの生活環境の除染等を行うことが適当である。追加被ばく線量が比較的低い地域についても、周辺に比して高線量を示す箇所があることから、子どもの生活環境を中心とした対応を行うとともに、地域の実情に十分に配慮した対応を行うことが適当である。
 また、除染実施計画の策定に当たっては、特別地域内除染実施計画と同様、地域ごとの実情を踏まえ、優先順位や実現可能性を踏まえた計画とするとともに、その前提として、除去土壌等の量に見合った仮置場を確保する必要がある。
 除染実施計画は、状況の変化に応じて、適時適切に見直すことが適当であり、そのために、土壌等の除染等の措置を実施した者は、当該措置による線量の変化等に関するデータを取るとともに、除染実施計画の策定者は、これらのデータの蓄積を含めた進捗状況の管理を確実に行うことが肝要である。
 計画策定者が、法第36条第3項の協議会を設置する場合には、除染実施計画の効果的かつ円滑な実施を図るため、放射性物質や除染等の措置等の専門家等もメンバーに加え、必要な知見を取り入れることが適当である。国は、計画策定者が当該協議会を設置する場合には、自ら管理する土地等に係る除染等の措置等を実施する立場として参加するのみならず、必要な科学的・技術的知見を提供するものとする。また、国、地方公共団体等が管理する土地を占用する者及び当該土地において工作物を設置する者がいる場合には、計画策定者は、当該者についても協議会への参加を促すことが適当である。
(4)土壌等の除染等の措置の実施に当たって配慮すべき事項その他土壌等の除染等の措置の推進に関し必要な事項
 土壌等の除染等の措置の実施に当たっては、飛散流出防止の措置、除去土壌の量等の記録等、周辺住民の健康の保護及び生活環境の保全への配慮に関し必要な措置をとるものとする。また、水を用いて土壌等の除染等の措置を行った場合は、事故由来放射性物質を含む排水が発生する。土壌等の除染等の措置を実施する者は、洗浄等による排水による流出先への影響を極力避けるため、水による洗浄以外の方法で除去できる事故由来放射性物質は可能な限りあらかじめ除去する等、工夫を行うものとする。
 また、土壌等の除染等の措置を実施した者は、当該措置が適切に実施されたことを確認するため、当該措置の前後においてモニタリングを行い、効果の確認を行う必要がある。さらに、地形等の理由により、土壌等の除染等の措置を行った土地等が、再度事故由来放射性物質により汚染される場合があることが想定される。このため、地域の実情を勘案して必要があると認めるときは、当該措置の後に定期的なモニタリングを行うものとする。
 このほか、除去土壌等の発生量は膨大になることが想定され、土壌等の除染等の措置を実施する際、削り取る土壌の厚さを必要最小限にする等、できるだけ除去土壌等の発生抑制に配慮することが、除染等の措置等を迅速かつ効率的に進めるためには必要である。
 また、国は、迅速な土壌等の除染等の措置の推進のため、費用対効果が高くかつ効果の実証された除染方法を標準的な方法として示すものとする。

5.除去土壌の収集、運搬、保管及び処分に関する基本的事項
 除去土壌の収集、運搬、保管及び処分の実施に当たっては、飛散流出防止の措置、モニタリングの実施、除去土壌の量・運搬先等の記録等、周辺住民の健康の保護及び生活環境の保全への配慮に関し必要な措置をとるものとする。また、安全な運搬、保管等のため、「当面の考え方について」において示された考え方を踏まえ、減容化、運搬、保管等に伴い周辺住民が追加的に受ける線量が年間1ミリシーベルトを超えないようにするものとする。
 このほか、除去土壌の収集及び運搬は、その途上における不法投棄の防止等のため、迅速に行うよう努めるものとする。
 また、仮置場等の確保等の観点から、除去土壌について、技術の進展を踏まえつつ、保管又は処分の際に可能な限り減容化を図るとともに、減容化の結果分離されたもの等汚染の程度が低い除去土壌について、安全性を確保しつつ、再生利用等を検討する必要がある。

6.その他事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関する重要事項
(1)汚染廃棄物等の処理のために必要な施設の整備等
 事故由来放射性物質により汚染された廃棄物の処理及び除染等の措置等の取組を迅速かつ着実に行い、人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減するためには、仮置場、中間貯蔵施設及び処分場等といった施設の確保が必要不可欠である。このため、これらの施設の確保に当たっては、次の方針のとおり、取り組むものとする。
1) 対策地域内廃棄物の仮置場の確保については、市町村の協力を得つつ環境省が行うものとする。また、指定廃棄物については、国、国の委託業者等に引き渡されるまでの間、当該指定廃棄物が排出された施設の管理者や当該指定廃棄物の占有者等が保管し、国は必要に応じこれらの者が行う保管を支援するものとする。
2) 土壌等の除染等の措置を迅速に実施するため、当分の間、市町村又はコミュニティごとに除去土壌等の仮置場を確保する必要がある。これらの仮置場の確保については、ア)除染特別地域に係るものについては、環境省が市町村の協力を得つつ行い、イ)除染実施区域に係るものについては、国が財政的・技術的な責任を果たしつつ、市町村が行うものとする。
3) 土壌等の除染等の措置を実施した土地において、除去土壌等をやむを得ず現場保管する必要がある場合は、土壌等の除染等の措置を実施した者は、当該土地の所有者等の意見を踏まえつつ、当該所有者等に保管させることができるものとする。
4) 事故由来放射性物質により高濃度に汚染された廃棄物及び土壌が相当量発生している都道府県については中間貯蔵施設を確保するものとする。
5) 4)の都道府県以外の都道府県においては、除去土壌等の処理は、当該除去土壌等が生じた都道府県内において行うものとする。
6) 中間貯蔵施設及び最終処分場の確保やその安全性の確保については、国が責任を持って行うものとする。
7) 中間貯蔵後の扱いについては、今後の技術開発の状況を踏まえて検討するものとする。
8) 仮置場及び処分場等の用地の確保については、公有地の積極的な活用を含め、国、地方公共団体等が連携・協力して行うものとする。
9) 仮置場、中間貯蔵施設及び処分場等の確保及び維持管理は、周辺住民の健康及び周辺の環境保全に十分配慮しつつ行うことが必要である。具体的には、周辺の環境保全に当たっては、仮置場については、住民等に対して、環境保全上の配慮事項をわかりやすく提供するものとし、中間貯蔵施設及び処分場の確保に当たっては、当該施設による環境影響の評価等を行い、その結果に応じた適切な環境保全措置を講ずる等の措置をとるものとする。
(2)調査研究、技術開発等の推進等
 国は、独立行政法人日本原子力研究開発機構、独立行政法人国立環境研究所等をはじめとする様々な研究機関の取組の支援及びこれらの研究機関との連携の確保を行うなど、除去土壌等の量の抑制のための技術や、事故由来放射性物質により汚染された廃棄物及び土壌の減容化のための技術の開発・評価・公表を積極的に進めるものとする。
 また、国は、環境汚染への対処に係る新規技術、材料等について、実用可能性や費用対効果を評価・公表する仕組を構築し、産学官の研究開発の成果を活用するものとする。
(3)住民理解の促進等
 国及び地方公共団体は、除染等の推進に当たって住民参加等への協力を求めるとともに、環境汚染への対処の実施内容及びその効果等について、適時適切に地域住民等に対して周知する等、正確かつ迅速な情報提供及び地域住民とのリスクコミュニケーションを実施するものとする。
 また、国は、地方公共団体による住民説明会への専門家の派遣等により、適確な知識の普及啓発を行うものとする。
(4)その他配慮すべき事項
 このほか、事故由来放射性物質による環境の汚染への対処に関して配慮すべき事項は、次に定めるとおりである。
1) 作業を行う者の安全の確保
 環境汚染への対処の実施に当たっては、作業を行う者の安全が確保されることが大前提である。
 このため事業者は、環境汚染への対処に従事する者の放射線防護等労働安全衛生に細心の注意を払い、当該従事者が受ける線量の管理、当該従事者が知識を得る機会の提供等を行うものとする。また、国等が環境汚染への対処に関して事業者に委託する場合には、事業者が当該管理等を確実に行うよう指導するものとする。
 また、地方公共団体は、住民、ボランティア等が土壌等の除染等の措置を行う場合にあっては、当該措置を行うに当たっての作業方法及び留意事項を周知すること、専門家の助言及び指導を得ること等により、土壌等の除染等の措置が安全かつ着実に行われるようにするものとする。このため国は、専門家の派遣、必要な情報の提供等必要な措置を行うものとする。
2) 地元雇用の確保
 環境汚染への対処に当たっては、地元雇用の確保に配慮するものとする。
3) 再生品の活用
 廃棄物の再生利用の推進のため、安全性を確保しつつ、可能な限り廃棄物の再生品(セメントや再生砕石等)の活用を図るものとする。

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