houko.com 

福島県双葉郡浪江町の特別地域内除染実施計画を公告する件

  平成24・12・5・環境省告示166号  
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成23年法律第110号)第28条第1項の規定に基づき福島県双葉郡浪江町の特別地域内除染実施計画を定めたので、同条第4項の規定により、次のとおり公告する。
はじめに
 「平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成23年法律第110号。以下「特措法」という。)は、平成23年8月末の公布以後、特措法に基づく基本方針(平成23年11月11日閣議決定。以下「基本方針」という。)や政省令の整備、国が除染等の措置等を実施する除染特別地域の指定等を経て、平成24年1月1日に全面施行されたところである。
 全面施行を受け、国等は、特措法に基づく除染等の措置等を迅速かつ適切に実施することになる。除染特別地域における除染等の措置等については、特措法第28条に基づき策定する除染特別地域に係る除染等の措置等の実施に関する計画(以下「特別地域内除染実施計画」又は「本計画」という。)に従って進めることとなった。
 環境省は、平成24年1月26日に、除染特別地域の除染の進め方についての考え方を「除染特別地域における除染の方針(除染ロードマップ)」として示したところである。除染ロードマップにおいては、環境省は、関係省庁から人材面も含めた協力を得ながら、同ロードマップを基本として、市町村等の関係者との協議・調整を行いつつ、具体的で実効ある特別地域内除染実施計画の策定及びその実施に取り組んでいくこととしている。
 本計画は、特措法第28条の規定に基づく計画として、除染等の措置等の実施に関する方針、特別地域内除染実施計画の目標、特別地域内除染実施計画の目標を達成するために必要な措置に関する基本的事項、その他除染特別地域に係る除染等の措置等の実施に関し必要な事項について記述したものである。

特別地域内除染実施計画の期間
 本計画においては、当面の実施対象期間を平成26年3月末までとし、当該期間における除染等の措置等に係る目標、実施内容等について次のとおり定めるものとする。ただし、除去土壌及び土壌等の除染等の措置に伴い生じた廃棄物(以下「除去土壌等」という。)の仮置場等での保管及び搬出については、仮置場等からの搬出が終わり、仮置場等が解消されるまでを本計画の期間とする。

1.除染等の措置等の実施に関する方針
 福島復興再生基本方針のとおり長期的な目標として追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下となることを目指し、除染等の措置等は、事故由来放射性物質による環境の汚染が人の健康又は生活環境に及ぼす影響を速やかに低減することを目的とし、以下の方針に基づき実施する。
1) 除染等の措置等は、人の健康の保護の観点から必要である地域について優先的に実施する。
2) 除染等の措置等は、本計画に従うとともに、特措法及びその下に策定された基本方針、政省令、ガイドライン等を踏まえて、国として責任を持って取り組む。
i 追加被ばく線量が年間20ミリシーベルト未満である地域については、長期的な目標として、追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下となることを目指す。
ii 追加被ばく線量が年間20ミリシーベルト以上である地域については、当該地域を段階的かつ迅速に縮小することを目指す。
3) 概ね年間積算線量50ミリシーベルト以下となる地域について、除染等の措置等を実施する。一方、概ね年間積算線量50ミリシーベルト超となる地域については、除染技術の確立及び作業員の安全性の確保のための除染モデル実証事業を早期に実施し、その結果等を踏まえて除染等の措置等の方法を検討する。
4) 除染等の措置等の実施に当たっては、線量の測定等の結果も踏まえ、適宜関係機関と連絡・調整しながら進める。
2.特別地域内除染実施計画の目標
 図の太枠の地域(以下「実施対象区域」という。)内における住居、事業所、公共施設等の建物等、道路(以下「住居等」という。)及び農用地における空間線量について、後述する「3.(2)除染等の措置等に関する方法」による除染等の措置を講ずることにより、できる限りの低減を図る。
 また、実施対象区域における住居等及び農用地についての具体的目標を以下のとおり定める。
1) 平成25年度内を目途に概ね年間積算線量20ミリシーベルト超の地域における住居等及び農用地については、除染等の措置及び物理的減衰等により、年間積算線量が20ミリシーベルト以下となることを目指す。
2) 農用地については、営農再開に向け、国の農林水産業再生プラン等を踏まえて必要な除染等の措置を講じる。

3.特別地域内除染実施計画の目標を達成するために必要な措置に関する基本的事項
(1)除染等の措置の対象及びスケジュール
 除染実施対象区域内における住居等、農用地及び住居等近隣の森林については、平成25年度内の完了を目途に除染等の措置を実施する。
 ただし、発生する除去土壌等に対応する容量を有する仮置場等の確保の目途が立っていない場合は、この限りでない。
(2)除染等の措置等に関する方法
 除染特別地域については、その線量が高いこと、面積が広大であり除去土壌等の大量発生も想定し得ること、避難指示区域の解除に向けて迅速に除染等の措置を実施する必要があること等を踏まえ、除染特別地域における除染等の措置等は、以下に示す考え方に基づき、実施することとする。
1) 限られた期間内に除染特別地域において除染等の措置を講じなければならないことから、原則として、除染等の措置の方法は、一定の効果が実証されたものであり、広範囲に展開可能な合理的な方法であることを基本とする。
2) 必要な時期に確保できる仮置場等の容量を踏まえ、技術の進展を踏まえつつ除去土壌等の減容化を行うなど、除去土壌等の発生の抑制に配慮しつつ除染等の措置を実施する。
3) 大規模な原状回復や金銭による補償等、その実施に比較的長期間を要する補償を伴う除染等の措置等に関する方法は、「2.特別地域内除染実施計画の目標」に掲げる具体的目標の達成に照らして真にやむを得ない場合に採用する。
4) 農用地については、関係機関と連携して、その特性を踏まえた除染等の措置の方法等について検討した上で、平成25年度内を目途に除染等の措置を実施する。
5) 森林については、住居等近隣における措置を最優先に行うものとする。その他の森林については、当面は、蓄積されつつある技術的知見を踏まえて、関係機関と連携して、今後の除染等の措置等の方法を検討する。
6)  「2.特別地域内除染実施計画の目標」に掲げる具体的目標の達成に支障となるような除染後の再汚染が発生した場合には適切な対応を実施する。
7) 除去土壌等については、仮置場等に一時的に保管し、その後、逐次中間貯蔵施設又は管理型処分場に搬入するものとする。なお、仮置場等については、平成24年内の確保に向けて引き続き必要な調整を行う。
(3)除染等の措置に関する工程
 除染等の措置の実施に当たっては、原則として、以下に掲げる取組を順次行うものとする。
1) 建物、土地等の関係人の把握
 除染等の措置を実施する建物、土地等の関係人の氏名等を把握する。
2) 土地等の立入りの了解
 建物、土地等の状況調査を行うため、関係人から立入りの了解を得る。その際、必要に応じて住民説明会を行う。
3) 線量の測定等・建物、土地等の状況調査
 建物、土地等の線量の測定等・建物、土地等の状況の把握等を行う。
4) 除染等の措置に関する方法の決定
 上記の結果を踏まえ、適切な除染等の措置に関する方法等を決定する。
5) 除染等の措置に関する方法の説明・除染等の措置の同意
 除染等の措置に関する方法等について、関係人に説明し意向を十分に反映し、その実施内容について同意を得る。
6) 除染等の措置の作業の実施
 同意内容に沿って、除染等の措置の作業を実施する。
7) 事後の線量の測定等
 除染等の措置の作業後に、除染等の措置の対象の線量の測定等を行う。
8) 結果等の報告
 除染等の措置による結果等を関係人に報告する。
4.その他除染特別地域に係る除染等の措置等の実施に関し必要な事項
(1)広域的なインフラの除染等の措置
 複数の市町村で利用する広域的なインフラについては、当該インフラの受益住民の帰還時期等を踏まえて、優先度の高いところから除染等の措置を実施する。常磐自動車道については、復興庁、国土交通省、環境省、NEXCO東日本(東日本高速道路株式会社)等からなる放射線対策検討合同チームにおいて、除染等の措置や復旧・建設の方策をとりまとめ、実施する。
(2)リスクコミュニケーションの推進
 除染等の措置等を適切かつ円滑に実施するためには、住民の方々における放射線についての正しい理解が不可欠である。
 このため、説明会の開催等を通じて住民の方々に対しリスクコミュニケーションを行う。
(3)作業員の放射線障害防止対策
 除染等の措置等の実施に際しては、除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のため、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」及び「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」を遵守する。
(4)特別地域内除染実施計画の見直し等
 本計画に基づく取組を着実に進めるため、除染等の措置の作業の進捗状況について定期的に点検を行う。その結果必要と認められる場合又は本計画策定後に新たに避難指示区域の設定や見直しが行われた場合、技術的知見が著しく進展した場合等には、本計画の見直しを実施し、特措法第29条に沿って本計画を変更する等適切な措置を講ずることとする。
 また、基本方針に掲げる長期的目標として追加被ばく線量が年間1ミリシーベルト以下となることを目指し、除染等の措置等の結果について点検・評価し、本計画期間終了以降の対応方策について浪江町と共に検討した上で、計画の見直しを行い、平成26年度以降において適切な措置を講ずることとする。
 農用地と森林については、「3.(2)除染等の措置等に関する方法」で述べる検討結果を踏まえ、対応方策を検討する。

1 本計画において、以下のとおり用語を定義する。
1) 「除染等の措置」とは、事故由来放射性物質により汚染された土壌、草木、工作物等について講ずる当該汚染に係る土壌、落葉及び落枝、水路等に堆積した汚泥等の除去、当該汚染の拡散の防止その他の措置をいう。
2) 「除去土壌」とは、特措法第25条第1項に規定する除染特別地域に係る土壌等の除染等の措置に伴い生じた土壌をいう。
3) 「除染等の措置等」とは、除染等の措置並びに除去土壌の収集、運搬、保管及び処分をいう。
2 「原子力発電所の事故による避難地域に係る帰還支援及び地域再生のための農林水産業再生プラン」(平成24年9月4日復興庁、農林水産省、環境省)
3 中間貯蔵施設については、地方公共団体や住民の理解を得つつ、仮置場への本格搬入開始から3年程度を目途として供用開始する。

(地図略)