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対策地域内廃棄物処理計画を変更する件

  平成26・1・14・環境省告示  1号  
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成23年法律第110号)第14条第1項の規定に基づき、対策地域内廃棄物処理計画を変更したので、同条第2項において準用する同法第13条第4項の規定により、次のとおり公告する。
1.はじめに
 「平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法」(平成23年法律第110号。以下「特措法」という。)については、平成23年8月30日に公布され、同日にその一部が施行された。その後、特措法第7条第1項の規定に基づく基本方針(以下「基本方針」という。)が同年11月11日に閣議決定された。また、特措法第11条第1項に基づき、同年12月28日、汚染廃棄物対策地域及び除染特別地域を指定する件(環境省告示第106号)により「汚染廃棄物対策地域」(以下「対策地域」という。)が指定された。これらに加え、特措法に基づく政省令等の整備等の施行準備を経て、特措法は、平成24年1月1日に全面施行された。
 本計画は、基本方針に示された考え方等を踏まえ、特措法第13条第1項に規定する対策地域内廃棄物のうち、現に相当量の処理が必要となっている災害廃棄物及び除染特別地域における土壌等の除染等の措置の実施に伴い生じる廃棄物(以下「除染廃棄物」という。)について、その適正な処理の実施に関し必要な事項等を定めるものである。
 当初の計画は、津波被害による災害廃棄物を主な対象と想定して、平成24年6月11日に策定し、これに基づく仮置場の整備や仮置場への廃棄物の搬入を進めてきた。
 これらの処理の進捗を踏まえて、対策地域内廃棄物の量の見込みや本計画の目標について見直す必要が生じており、また、対策地域内の全ての市町村において避難指示区域の見直しが完了したことも踏まえて、本計画について所要の見直しを行った。
2.対策地域内廃棄物の量及び処理量の見込み
(1)災害廃棄物等の量及び処理量の見込み
 対策地域内における災害廃棄物の推定量について、これまでの処理の実績等も勘案して、沿岸部の津波被災地域における津波により生じた災害廃棄物の量を見直すとともに、津波被災地域以外の地域において発生する災害廃棄物の量を加えるなど、当初計画で見込んでいた推定量の見直しを行った。
 加えて、避難指示区域の見直しに伴い、家の片付け等の際にごみが相当量発生することが見込まれることが明らかになったため、収集実績等も踏まえてその推定量を見込んでいる。
 別紙1に、これらの災害廃棄物等の推定量を示す。これらの推定量については、各市町村における仮置場や処理施設の規模等に関わることから、それぞれの処理の進捗に応じて継続的に精査を行うものとする。
 なお、帰還困難区域の災害廃棄物等の量は、今後、帰還困難区域における処理方針を踏まえて推定することとし、今回の推定量には含めていない。
(2)除染廃棄物の量及び処理量の見込み
 平成25年10月末現在、除染廃棄物の発生した量は、合計で約36万立方メートルである。除染廃棄物の量については、除染を実施する場所や地域の実績、時期等により大きく変化することから、除染の進捗に応じて精査することとする。
3.対策地域内廃棄物処理計画の目標
(1)災害廃棄物等
 災害廃棄物等については、早急な処理が重要であるが、とりわけ避難されている方々の円滑な帰還を積極的に推進する観点から、避難指示解除準備区域及び居住制限区域における帰還の妨げとなる廃棄物を速やかに撤去し、仮置場に搬入することを優先目標として進めていく。具体的には、帰還する地域周辺の災害廃棄物、帰還の準備に伴って生じる家の片付けごみ、特に緊急性の高い被災家屋の解体に伴う廃棄物等を優先して、速やかな撤去を計画的に進める。それらの帰還の妨げとなる廃棄物は、仮置場の確保の状況に応じて、別紙2に示す時期までに、撤去し、仮置場への搬入を完了することを目標とする。
 仮置場への搬入後の避難指示解除準備区域及び居住制限区域における災害廃棄物等の処理の完了は、災害廃棄物等の量や発生の時期、可燃物の処理施設(仮設焼却炉等)の立地場所の確保の状況等に大きく依存することから、それらの状況を踏まえて各市町村と随時調整を行い、処理のスケジュールを設定する。
 なお、帰還困難区域に分布している災害廃棄物等については、廃棄物処理に従事する作業者の安全確保等の点に鑑み、当該地域における今後の線量低減の見通しを見極めつつ、処理方針について検討する。
(2)除染廃棄物
 除染廃棄物については、仮置場等において一時的に保管し、可能な限り減容化を図りつつ、適切に処理することとする。
 なお、帰還困難区域については、除染モデル実証事業の結果、復興計画の絵姿、線量の程度等を踏まえた対応を検討することとしており、その結果を踏まえて処理方針について検討する。
4.対策地域内廃棄物処理計画の目標を達成するために必要な措置に関する基本的事項
(1)災害廃棄物等
① 仮置場の設置
ア 災害廃棄物等の発生場所の近傍に、災害廃棄物等を選別し、中間処理するための仮置場を設けることとする。
イ 仮置場の設置については、地域住民の方々の御理解を得ることが必要である。このため、地元自治体と緊密に連携しつつ、その設置場所の確保に向けて調整を進める。
ウ 仮置場の設置にあたっては、必要な土地の造成工事等を行う。
② 仮置場への廃棄物の収集及び運搬
ア 仮置場の設置が完了した地域から、当該仮置場への災害廃棄物等の収集及び運搬を開始する。
イ 収集及び運搬については、可能な限り分別を行った上で、当該仮置場へと搬入する。
ウ 危険物、PCB廃棄物、石綿含有廃棄物等については、他の廃棄物と区別し、適切に収集及び運搬する。
③ 仮置場における廃棄物の選別
ア 当該仮置場に搬入した災害廃棄物等については、焼却、破砕等の中間処理を円滑に行うため、仮置場において、重機等による粗選別を実施し、可燃物、金属くず、コンクリートくず等に分別する。
イ 危険物、PCB廃棄物、石綿含有廃棄物等については、他の廃棄物と区別し、適切に保管する。
④ 中間処理(焼却、破砕等及び再生)
ア 災害廃棄物等の量が膨大であること等に鑑み、安全性を確保しつつ、可能な限り焼却等の中間処理等により減容化を図ることとする。
イ 災害廃棄物等の量は膨大であるため、早期の処理の完了には既存の処理施設(公共施設及び民間施設)を最大限活用するとともに、仮設処理施設の設置が不可欠であり、各自治体の協力を得ながらこれらを進めていく。
ウ 仮設処理施設の設置に当たっては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)第8条第3項の規定に準じ、周辺地域の生活環境に及ぼす影響についての調査を実施する。
エ 仮設処理施設において、飛散流出防止の措置、モニタリングの実施、周辺住民の健康の保護及び生活環境の保全への配慮に関し、必要な措置を採ることとする。
オ コンクリートくず等については、復興のために利用可能な資材とするなど、可能な限り災害廃棄物等の再生を図ることとする。
カ 中間処理については、対策地域内廃棄物の迅速かつ効率的な処理を行う観点から、除染廃棄物の処理との連携に十分留意する。
⑤ 中間処理後の処分
ア 中間処理後の焼却灰等の処分については、「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において必要な中間貯蔵施設等の基本的考え方について」(平成23年10月29日環境省策定。以下「中間貯蔵施設等ロードマップ」という。)に基づき、実施することとする。
(2)除染廃棄物
 特別地域内除染実施計画に基づく除染等の措置に伴い発生する除染廃棄物については、一時的に保管するための仮置場等を確保するとともに、災害廃棄物等の処理と連携して、可能な限り仮設処理施設等において減容化を図り、中間貯蔵施設等ロードマップに基づき、処理することとする。
5.その他対策地域内廃棄物処理の適正な処理に関し必要な事項
(1)対策地域内廃棄物の処理については、東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(平成23年厚生労働省令第152号)、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号厚生労働省労働基準局長通達別添1)、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号)等を遵守し、廃棄物処理業務に従事する労働者の放射線障害防止を図ることとする。
(2)対策地域内廃棄物の処理については、可能な限り地元雇用を考慮することを基本とする。

別紙1
対策地域内における災害廃棄物等(帰還困難区域を含まない)の推定量(t)(平成25年12月時点)
 災害廃棄物※2 家の片付けごみ合計
南相馬市247,000
可燃:79,000
不燃:168,000
13,000
可燃:9,500
不燃:3,200
260,000
可燃:88,000
不燃:171,000
浪江町263,000
可燃:62,000
不燃:201,000
26,000
可燃:20,000
不燃:5,800
289,000
可燃:82,000
不燃:206,000
双葉町13,000
可燃:3,800
不燃:8,800
180
可燃:130
不燃:49
13,000
可燃:3,900
不燃:8,900
大熊町3,400
可燃:1,700
不燃:1,700
500
可燃:370
不燃:130
3,900
可燃:2,100
不燃:1,900
富岡町91,000
可燃:35,000
不燃:56,000
13,000
可燃:9,500
不燃:3,900
105,000
可燃:44,000
不燃:60,000
楢葉町62,000
可燃:24,000
不燃:37,000
14,000
可燃:11,000
不燃:3,000
76,000
可燃:36,000
不燃:40,000
飯舘村660
可燃:340
不燃:320
41,000
可燃:37,000
不燃:3,800
42,000
可燃:38,000
不燃:4,200
川俣町860
可燃:440
不燃:420
2,400
可燃:2,000
不燃:470
3,300
可燃:2,400
不燃:890
葛尾村660
可燃:340
不燃:320
6,100
可燃:5,300
不燃:740
6,700
可燃:5,700
不燃:1,100
田村市1,300
可燃:640
不燃:610
1,100
可燃:900
不燃:160
2,300
可燃:1,500
不燃:770
川内村1,200
可燃:710
不燃:510
1,300
可燃:1,000
不燃:260
2,500
可燃:1,700
不燃:770
合計684,000
可燃:209,000
不燃:475,000
119,000
可燃:97,000
不燃:21,000
802,000
可燃:306,000
不燃:496,000
※1:有効数字2桁で四捨五入。但し、推定量が10万トン以上の場合は、1,000トン未満を四捨五入。
※2:災害廃棄物には津波がれきと災害廃棄物処理の一環としての被災家屋の解体が含まれる。津波がれきには廃棄物に付着した土砂は含まれるが、その他の土砂は含まない。
※3:本表に示す数値については、継続的に精査を行いつつ、実際の処理事業に反映していくこととする。
※4:災害廃棄物等の推定量は、帰還困難区域を含めていない。今後、帰還困難区域における処理方針を踏まえて検討。
別紙2
帰還の妨げとなる廃棄物の撤去・仮置場への搬入完了目標※1
 仮置場への搬入完了目標備考(平成25年12月時点の仮置場の確保状況※2
南相馬市平成25年度
(一部は平成26年度にずれ込む見込み)
全9か所:約28.7ha
・5か所供用開始済(H25. 2~)
・1か所工事中(部分供用中)
・1か所供用開始済(H25. 6~)、一部工事中
・1か所工事中
・1か所工事準備中
浪江町平成27年度
(家の片付けごみは、平成26年度内の搬入完了を目標)
全3か所:約57.4ha
・1か所供用開始済(H25. 4~)
・2か所工事準備中
双葉町平成26年度全1か所:約3.7ha
・1か所工事準備中
大熊町平成25年度全1か所:約1.5ha
・1か所工事準備中
富岡町平成27年度
(粗大ごみを除く家の片付けごみは、平成26年度内の搬入完了を目標)
全1か所:約60ha(除染仮置場と併用予定)
・1か所地元調整中、部分供用開始済(H25.10~)
楢葉町平成25年度全6か所:約13.6ha
・4か所供用開始済(H25. 3~)
・2か所工事準備中
飯舘村平成26年度全1か所:約7.8ha
・1か所工事準備中
川俣町平成26年度全1か所:約4.1ha
・1か所工事準備中
葛尾村平成26年度全1か所:約10ha(除染仮置場と併用予定)
・1か所地元調整済
田村市・設置しない
川内村平成25年度全1か所:約0.1ha
・1か所供用開始済(H25. 3~)
※1:帰還する地域周辺の災害廃棄物の仮置場への搬入、帰還の準備に伴って生じる家の片付けごみの一通りの回収、特に緊急性の高い被災家屋の解体・仮置場への搬入を完了する目標を示す。
※2:仮置場の確保とは、設置場所の地元住民の理解が得られた状況を指す。